ベトナム不動産のランキングを知りたいと思っている方に向けて、AFP・宅地建物取引士の私Christopherが現地視察と実務経験をもとに7都市を比較します。フィリピンでプレセールコンドミニアムを購入した経験から、東南アジア不動産特有の外国人所有制限や出口戦略の難しさを肌で知っています。法制度・利回り・流動性の3軸で、2027年視点の投資判断軸を実名都市とデータで解説します。
ベトナム不動産市場の現況と2027年への展望
急成長する経済と不動産価格の連動性
ベトナムのGDP成長率は2023年が約5.1%、2024年は6%台後半で推移し、東南アジアの中でも安定した成長軌道を維持しています。この経済成長が都市部の不動産価格を押し上げており、ホーチミン市では2019年比で分譲コンドミニアムの平均価格が1平方メートルあたり30〜40%程度上昇したとされる統計も複数の現地調査会社が報告しています。
ただし、価格上昇が続いてきた背景には国内富裕層の旺盛な需要があります。外国人投資家にとって重要なのは、その需要が今後も続くかどうかという見極めです。私は宅建士として国内の不動産市場も日常的に分析していますが、どの国でも「価格上昇の継続性」と「空室率の安定性」は別の問題として捉えるべきだと考えています。
2025年改正住宅法が変えた外国人取得の条件
2025年に本格施行された改正住宅法・土地法により、ベトナムの外国人不動産取得ルールが整理されました。大きな変更点は、外国人が取得できる住戸数の上限管理が従来より明確化された点と、所有期間の更新手続きが簡略化された点です。ただし、外国人に認められるのは依然として「所有権」ではなく「使用権(50年更新制)」です。
日本の不動産は「所有権」が原則であるため、この違いは非常に重要です。宅建業法を扱う実務の立場からすると、日本国内と同じ感覚で「買った」と思うのは危険です。使用権は更新が認められる仕組みですが、更新時の条件変更リスクは常に存在します。海外不動産の取得にあたっては、現地の弁護士・税務の専門家への相談を強く推奨します。
フィリピン購入経験が教えてくれたベトナム比較の視点
プレセール購入時に痛感した「制度リスク」の重さ
私はフィリピン・マニラの新興エリア(オルティガス)でプレセールコンドミニアムを購入しています。購入価格は日本円換算でおよそ3,500万円前後。このとき私が一番時間をかけたのは、物件のスペックではなく「法的な所有形態」と「外国人規制の具体的な上限値」の確認でした。
フィリピンでは外国人が区分所有できる割合は総戸数の40%まで、という制限があります。これは購入前に必ず確認すべき事項ですが、現地デベロッパーのセールス担当者が積極的に説明してくれることは少ないのが実態です。ベトナムも同様で、一棟あたりの外国人取得上限が30%という制度が設けられています。フィリピンでの経験がなければ、私もこの点を軽視していた可能性があります。
保険代理店時代の富裕層相談が示した「出口戦略」の重要性
総合保険代理店に勤務していた頃、個人事業主や中小企業オーナーの資産相談を多数担当しました。その中で、海外不動産を保有しながら「売りたくても売れない」という状況に陥った方を複数件、相談として受けています。買う時の熱量は高いが、売る時の流動性を事前に検証していなかったケースです。
ベトナム不動産でも、この出口問題は深刻です。特に地方都市では外国人バイヤーの数が限られるため、売却時の買い手候補は実質的にベトナム人富裕層に絞られます。利回り計算だけでなく、「誰に売るか」「いつ売れるか」を入口段階から考えることが、ベトナム不動産ランキングを自分ごとに落とし込む際の核心だと私は考えています。
主要7都市ランキング比較|法制度・利回り・流動性で評価
ホーチミン・ハノイ・ダナンが上位を占める理由
私が7都市を評価した際の基準は、①インフラ整備状況、②賃貸需要の厚み、③外国人取得の実務的ハードル、④価格の透明性、⑤出口流動性の5項目です。この基準に照らすと、ホーチミン投資は依然として評価が高い水準にあります。
- 1位:ホーチミン市(ビンタン区・トゥードゥック市) 外資系企業の集積と若年人口の流入が賃貸需要を支える。コンドミニアム利回りは表面で5〜7%台が目安。
- 2位:ハノイ市(タイホー区・カウザイ区) 行政機能・大使館集中エリア。ハノイ物件は外交官・駐在員需要が安定している。
- 3位:ダナン市(ミーケービーチ周辺) 観光需要に連動したコンドテル投資の選択肢が多いが、コンドテルの法的グレーゾーンには注意が必要。
- 4位:フーコック島 リゾート開発が急進展。ただし島嶼部特有のインフラリスクがある。
- 5位:ニャチャン市 ロシア人・韓国人観光客の需要が戻りつつあるが、外国人バイヤー依存度が高い点はリスクでもある。
- 6位:ハイフォン市 製造業集積による住宅需要増が期待される。ただし現時点では外国人向け市場の成熟度はホーチミン・ハノイに劣る。
- 7位:カントー市 メコンデルタ経済圏の中心。国内需要主体で、外国人投資家の参入障壁は相対的に高い。
上記は私の独自評価であり、投資推奨ではありません。市場環境は変動するため、最新の現地情報と専門家への確認を前提にしてください。アブダビ不動産投資の実体験|宅建士が5つの判断軸で検証した2027年版
ダナン不動産のコンドテル問題と外国人所有制限の実態
ダナン不動産を語る上で避けられないのが「コンドテル」の法的地位問題です。コンドテルとはコンドミニアムとホテルを組み合わせた物件形態で、オーナーが不在時に運営会社がホテルとして稼働させ、収益を分配する仕組みです。利回りとして年8〜10%を謳うプロジェクトも存在しますが、この収益は「保証」ではなく「見込み」です。
さらに深刻なのは、コンドテルに対するベトナム政府の土地使用目的分類が長期間曖昧だったことです。居住用と観光用では土地使用権の性格が異なり、外国人所有制限の適用方法についても現地弁護士によって解釈が分かれていた時期がありました。2024〜2025年の法改正でこの点は一定程度整理されましたが、完全に解消されたわけではありません。ダナン不動産を検討する際は、対象物件の土地使用目的分類を現地の法律専門家に確認することが不可欠です。
利回りと出口戦略の5基準|宅建士が設定する投資判断軸
表面利回りに潜む「ベトナム固有コスト」を計算に入れる
ベトナム不動産の利回り計算で見落とされがちなのが、管理費・修繕積立金・賃貸管理手数料・現地所得税・日本への送金コストです。表面利回りが7%でも、これらを差し引いた実質利回りは4〜5%台になることは珍しくありません。
加えて、為替リスクは必ず考慮しなければなりません。ベトナムドン(VND)は対ドルで比較的安定していますが、円高が進行した場合の円換算収益への影響は無視できません。私がフィリピンの物件収支を管理する中でも、フィリピンペソと円の為替変動が実質収益に与える影響は年によって数十万円単位で変わります。海外不動産においてリスクを軽視した資金計画は危険です。
出口戦略の5基準で都市を再評価する
私が設定する出口戦略の5基準は次の通りです。①外国人バイヤーへの転売可否、②ベトナム人富裕層の購買力、③賃貸出口(EXIT前の収益確保期間)、④ディベロッパーの買取保証有無、⑤現地の不動産流通インフラの整備度です。
この基準でホーチミン市とハノイ市は①〜⑤すべてで相対的に高い評価となります。一方、フーコック島やニャチャンは①④に依存しやすく、市場環境が変化した時のリスクが大きくなります。私はAFPとして資産全体のポートフォリオ管理を重視しており、海外不動産はあくまで資産の一部として位置づけることが重要だと考えています。不動産単体のリターンだけを見て全資産を集中させるのは、どの国の物件であっても避けるべきアプローチです。売掛金 早期回収 方法7選|AFP宅建士が500人相談で導いた実例
まとめ|ベトナム不動産ランキングを活用した2027年への投資判断
7都市ランキングの要点と注意点
- ホーチミン市・ハノイ市は賃貸需要・流動性・インフラの観点から引き続き有力な選択肢として位置づけられる。ただし価格水準の上昇により、利回り圧縮が進んでいる点は認識しておく必要がある。
- ダナン不動産のコンドテルは表面利回りが高い水準で提示されることが多いが、法的地位の確認と収益の保証有無を必ず精査すること。
- 外国人所有制限(一棟30%・50年使用権)はすべての都市に共通する制度的制約であり、日本の所有権とは根本的に異なる。
- 為替リスク(VND/JPY)・現地税務・日本への送金規制は事前に専門家(現地弁護士・税理士)へ確認することが不可欠。国によって税務ルールは大きく異なる。
- 出口戦略は入口段階から設計する。「誰に・いくらで・いつ売るか」を想定しておかない投資は、保有期間中のリスクを不必要に高める。
- 利回り計算は管理費・税・為替・送金コストを含めた実質ベースで行うこと。表面利回りの数字だけで判断しない。
- 個人の資産状況・リスク許容度・投資目的によって適切な都市・物件は大きく異なる。本記事はあくまで情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではない。
不動産トラブルを未然に防ぐための相談窓口について
私自身、フィリピンのプレセール購入時に現地業者との契約内容の確認に多大な時間と費用をかけました。海外不動産に限らず、国内不動産においても「買った後のトラブル」は想像以上に多いのが実態です。保険代理店に勤めていた頃も、購入後に判明した瑕疵や境界問題で困っている相談者を複数見てきました。
ベトナム不動産の検討と並行して、日本国内の不動産資産の現状把握・査定・トラブル予防を進めることは、資産全体の健全性を保つ上で重要です。特定の不動産会社に偏らない公平な立場からのサポートを受けられる窓口として、以下をご参照ください。専門家への相談は早い段階で行うほど選択肢が広がります。個人差はありますが、客観的な第三者の視点を入れることで判断の精度が高まると私は考えています。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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