海外移住費用を5カ国比較|宅建士が35歳移住計画で試算した実例2027

AFP・宅建士として海外不動産や資産形成の相談を多数担当してきた私・Christopherが、自身の35歳移住計画の中で実際に試算した「海外移住 費用 比較」のデータを公開します。フィリピンでのプレセールコンドミニアム購入経験やハワイのリゾート運用を踏まえ、アジア・欧州5カ国の初期費用・生活費・ビザコストを7つの視点で整理しました。移住先選びの現実的な予算感を掴む参考にしてください。

海外移住費用を比較する7つの観点

移住コストは「初期費用」と「ランニング費用」に分けて考える

海外移住の費用を比較する際、多くの人が「月々の生活費」だけを見て判断しがちです。しかし宅建士として多くの物件取引を見てきた経験から言うと、初期費用とランニング費用を分けて試算しないと、移住後1〜2年で資金ショートするケースが実際に起きています。

初期費用には、ビザ取得費用・現地への引越し輸送費・敷金礼金相当の保証金・家具家電の購入費・語学学校や手続きの代行費などが含まれます。これらを合計すると、国によっては渡航前だけで200万〜800万円規模になることも珍しくありません。

一方のランニング費用は、家賃・光熱費・通信費・食費・医療費・海外旅行保険・日本への一時帰国費用などです。この2軸を分けた比較表を作ることが、移住予算を正確に組み立てる出発点です。

比較すべき5カ国の選定理由

今回私が比較対象として選んだのは、フィリピン・マレーシア・タイ・ポルトガル・ドバイ(UAE)の5カ国です。アジア圏3カ国は私が実際に下見渡航を行ったことがある国であり、欧州・中東の2カ国は私の資産形成計画の中でゴールデンビザや税制優遇の観点から検討した国です。

この5カ国を選んだ理由は、日本人の移住実績が比較的多く、現地の日本人コミュニティや税務情報が入手しやすいという点もあります。ただし、各国の制度は年ごとに変更されます。最新の情報は必ず現地専門家や在外公館を通じて確認してください。

私がフィリピン物件購入と下見渡航で体感した移住コストの現実

オルティガスのプレセール購入で見えた「初期費用の正体」

私はフィリピン・マニラの新興エリアであるオルティガスで、プレセールのコンドミニアムを購入しています。この時に痛感したのが、「物件価格以外にかかるコスト」の多さでした。

プレセールのコンドミニアムは一般的に、頭金として物件価格の20〜30%を分割で支払い、残金を引き渡し時に一括またはローンで支払う構造です。私の場合、頭金の分割払いに加え、現地の弁護士費用・公証費用・税金(VAT・印紙税相当)・管理費の前払いが発生しました。これらを合計すると、購入価格の5〜8%程度が「諸費用」として上乗せされる感覚です。

重要な点として、フィリピンの不動産取引は日本の宅建業法の適用外です。日本国内の不動産取引のように宅建士が重要事項説明を行う法的義務はありません。そのため、現地の不動産規制や契約内容の確認は、現地弁護士への依頼が実質的に不可欠です。為替リスクも常に存在し、円安が進行した局面では日本円での支払い負担が想定以上に増えます。この点は計画段階で必ずバッファを持っておく必要があります。

年4〜6回の渡航と保険代理店時代の顧客事例から見えた生活費の実態

私は年間4〜6回程度フィリピンおよびハワイへ渡航しており、現地の物価感を肌で知っています。マニラ・マカティやオルティガスエリアでは、外国人向けのコンドミニアムを借りると月7万〜15万円程度が相場です(エリアや築年数によって大きく異なります)。食費は現地の市場やローカル食堂を使えば驚くほど抑えられますが、日本食や輸入食材を求めると一気に上がります。

総合保険代理店に勤務していた時代、個人事業主や富裕層の資産相談を多数担当しました。その中で「フィリピンに移住したい」という相談を複数受けましたが、多くの方が見落としていたのが医療費と日本への一時帰国費用です。フィリピンの私立病院は欧米水準の医療費がかかる場合があり、海外旅行保険または現地の民間医療保険への加入は事実上必須です。年間保険料として20万〜40万円のコストを見込んでおく必要があります。

アジア圏移住の初期費用と生活費——マレーシア・タイとの比較

マレーシア「MM2H」とタイ「LTRビザ」の取得コスト比較

アジア圏の移住先として人気があるのがマレーシアとタイです。マレーシアには「MM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム)」という長期滞在ビザ制度がありますが、2021年の制度改定以降、要件が大幅に厳格化されました。2024年時点の主な要件として、月収10万リンギット(約300万円以上)の証明・現地銀行への150万リンギット(約4,500万円)の定期預金・不動産または保険への投資義務などが課されています。ビザ申請代行費も含めると、初期コストだけで数百万円規模になります。

タイは2022年に導入した「LTRビザ(長期滞在ビザ)」が注目を集めています。富裕層向けのカテゴリでは、タイ国内への投資額50万ドル(約7,500万円)が条件ですが、リタイアメントカテゴリでは55歳以上・年金収入8万ドル(約1,200万円)等の要件もあります。35歳の私の移住計画においては、タイのLTRビザは年齢・資産要件の面で現時点では選択肢として難しいと判断しています。

フィリピンのリタイアメントビザ(SRRV)は35歳でも取得可能

フィリピンには「SRRV(特別居住退職者ビザ)」という制度があり、35歳以上であれば申請が可能です。必要な定期預金額は年齢や健康状態によって異なりますが、35歳の場合は5万ドル(約750万円)程度の定期預金を現地指定銀行に預ける必要があります。この資金は原則として引き出し不可ですが、不動産購入等に充当することもできます。

私自身がこの制度を移住計画の中で検討している理由の一つは、すでにオルティガスに不動産を保有しているため、定期預金要件の一部を物件評価額で代替できる可能性があるからです。ただしこの点は制度改定のリスクがあり、申請時点での要件を必ず在外公館や認定代理人を通じて確認する必要があります。個人差があるため、専門家への相談を推奨します。アブダビ不動産投資の実体験|宅建士が5つの判断軸で検証した2027年版

欧州ゴールデンビザの取得コストと生活費——ポルトガル・ドバイの実態

ポルトガルのゴールデンビザは2024年改定で不動産投資が対象外に

欧州移住を検討する際に「ゴールデンビザ コスト」で検索する方が多いですが、ポルトガルのゴールデンビザは2024年の制度改定で不動産投資がビザ取得の対象要件から外れました。現在は投資ファンドへの50万ユーロ(約8,000万円以上)の出資や、文化遺産の保護・科学研究への寄付などが主な取得ルートとなっています。

取得後はポルトガル居住権を取得でき、5年後にはEU市民権の申請も可能です。ゴールデンビザ取得後のポルトガルでの生活費は、リスボンで月22万〜35万円程度が現実的な目安です。法律事務所・会計士・ビザ申請代行の費用として初年度に100万〜200万円のコストが発生するのが一般的です。為替リスク(ユーロ建て)も含め、日本円での実質コストは年々変動します。

ドバイ(UAE)は所得税ゼロだが移住初期費用が高水準

ドバイは個人所得税が課されないという点で、資産形成の観点から注目されています。ドバイ居住ビザの取得には不動産購入(最低75万ディルハム、約3,000万円以上)が条件の一つとなっており、物件購入時の諸費用(登記費用・仲介手数料・管理費等)を含めると初期費用は購入価格の7〜10%程度が上乗せされます。

生活費は月30万〜55万円程度と、アジア圏と比べると高い水準です。日本への帰国費用(フライト代)もアジア圏より割高です。ただし法人設立が比較的容易で、フリーランスやオンラインビジネスを運営している方には税制上の優位性が見込めます。私自身は現在、都内で法人を経営しインバウンド民泊事業を運営していますが、将来的なアジア圏への移住を視野に入れつつ、ドバイは税務的な観点でのサブ拠点として興味を持っています。海外送金・税務の扱いは国によって大きく異なるため、専門家への確認が不可欠です。売掛金 早期回収 方法7選|AFP宅建士が500人相談で導いた実例

私が35歳移住計画で試算した総額と現実的な予算の組み立て方

5カ国の初期費用・年間生活費・ビザコストを整理する

ここでは私が実際に試算した5カ国の費用感をまとめます。数字はあくまで2024〜2025年時点の目安であり、為替・制度変更・個人の生活スタイルによって大きく変わります。

  • フィリピン(マニラ近郊):ビザ取得(SRRV)初期費用約750万〜900万円(定期預金含む)/年間生活費180万〜300万円/合計1年目:約930万〜1,200万円
  • マレーシア(クアラルンプール):MM2H取得初期費用約4,500万〜5,000万円(定期預金含む)/年間生活費240万〜360万円/合計1年目:約4,740万〜5,360万円
  • タイ(バンコク):LTRビザは35歳では条件が厳しいため除外、観光ビザ延長での短期滞在であれば年間生活費240万〜360万円程度
  • ポルトガル(リスボン):ゴールデンビザ取得初期費用約8,000万〜9,000万円(投資額含む)/年間生活費264万〜420万円/合計1年目:約8,264万〜9,420万円
  • ドバイ(UAE):不動産購入ビザ取得初期費用約3,000万〜3,500万円(物件購入含む)/年間生活費360万〜660万円/合計1年目:約3,360万〜4,160万円

この試算を見ると、純粋な「移住しやすさ」という観点では、フィリピンが初期費用の総額として現実的な選択肢の一つであることが分かります。私がオルティガスの物件をすでに保有していることも、フィリピン移住計画において定期預金要件の代替活用という観点で有利に働く可能性があります。

移住予算の組み立てでやるべき4つのステップとCTA

海外移住の予算を現実的に組み立てるために、私が実践している4つのステップを整理します。

  • ステップ1:ビザ要件の最新確認——制度は毎年変わります。在外公館・現地の認定代理人・専門家を通じて申請時点の要件を必ず確認してください。
  • ステップ2:初期費用とランニング費用の分離試算——1年目コスト・2年目以降の年間コストを分けてキャッシュフロー表を作ること。これはAFPとして資産相談で必ず行う手順です。
  • ステップ3:日本国内の資産・不動産の整理——海外移住前に、日本国内の不動産・金融資産の整理や査定を行っておくことで、移住資金の確保や相続・税務の問題を事前に解決できます。特に不動産はトラブルが生じやすいため、信頼性が高い窓口を使うことをお勧めします。
  • ステップ4:為替リスクと税務の専門家確認——海外送金・現地での課税ルール・日本の非居住者課税は複雑です。必ず税理士・行政書士等の専門家に相談したうえで移住計画を確定してください。個人差があるため、専門家へのご相談を推奨します。

日本国内の不動産を移住前に整理したい方、査定や売却・賃貸化を検討している方には、一般社団法人が提供する公平な窓口の活用が有効な選択肢の一つです。特定の不動産業者に偏らない立場からのアドバイスを受けられる点が、移住を控えた段階では特に重要です。

【一般社団法人が提供する公平な不動産査定】トラブル解決協会

筆者:Christopher/AFP・宅地建物取引士。フィリピン・ハワイで実物不動産を所有し、現役の宅建士として国内外の不動産・資産形成を実務視点で解説。大手生命保険会社2年、総合保険代理店3年を経て、現在は都内法人を経営・インバウンド民泊事業を運営中。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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