ゴールデンビザ廃止動向2026|5カ国の最新潮流

AFP・宅建士として富裕層の資産相談に長年携わってきた私が、今もっとも質問を受けるテーマがゴールデンビザ廃止の動向2026です。ポルトガルやスペインをはじめ制度変更が相次ぐ中、「どの国がまだ使えるのか」「代替手段は何か」を実務視点で正確に整理します。為替リスクや現地法律の変化も含め、現時点の最新情報をお届けします。

ゴールデンビザ廃止の全体像:なぜ今、制度が揺れているのか

EU圏を中心に広がる「廃止・縮小」の波

ゴールデンビザとは、一定額以上の不動産購入や資金移転などを条件に、外国人投資家に居住権・永住権を付与する制度です。2010年代に欧州各国で相次いで導入され、日本人の富裕層や海外移住を検討する方々にも広く知られてきました。

ところが2023年頃から潮目が変わります。EU加盟国を中心に「住宅価格を押し上げる」「マネーロンダリングリスクがある」として、制度の廃止・縮小を求める声が高まりました。欧州議会もゴールデンビザ制度そのものへの批判的な見解を示し、各国政府は対応を迫られています。

この流れは2026年も続いており、海外移住ビザの最新情報を追う立場から言えば、「制度があるから大丈夫」という前提自体を疑う必要があります。現時点で残っている制度も、いつ変更・廃止されてもおかしくない状況です。

廃止・変更を促す3つの構造的背景

制度が揺れている背景には、大きく分けて3つの要因があります。第一に住宅アフォーダビリティ問題です。リスボンやバルセロナなどでは、外国人投資マネーの流入が賃料・物価を押し上げ、地元住民が住めなくなるという社会問題が顕在化しました。

第二にEUの圧力です。欧州委員会は加盟国に対してゴールデンビザ制度の廃止・厳格化を繰り返し要求しており、法的な調和を進めようとしています。第三に税収・外交問題です。ロシア・ウクライナ問題以降、特定国籍の資産家への警戒感が高まり、審査基準の厳格化が進みました。

これら3要因が重なり、単なる一時的な制度変更ではなく、構造的な「制度縮小・廃止トレンド」が形成されています。海外移住を検討する方は、この大きな流れを踏まえた上で戦略を組み立てる必要があります。

主要5カ国の制度変更一覧:2026年時点の現状整理

ポルトガル・スペイン・アイルランドの動向

ポルトガルゴールデンビザは、2024年に不動産購入ルートが事実上廃止されました。2026年時点では、ファンド投資(最低50万ユーロ)や雇用創出要件を満たすルートが残存していますが、申請件数は激減しています。以前は50万ユーロ前後の不動産購入で居住権が得られたモデルが崩れ、日本人投資家の間でも「ポルトガルはもう難しい」という認識が広まっています。

スペインは2024年4月、当時の政権が投資ビザ廃止を正式に表明しました。スペイン投資ビザ廃止の方針は2025年以降も維持されており、2026年現在は新規申請の受付が実質的に停止されています。バルセロナやマドリードへの移住を考えていた方にとっては大きな打撃です。

アイルランドは2023年にゴールデンビザを廃止済みです。同国は特にEUの批判を受けて早期に対応した事例として知られています。これら3カ国の動向だけ見ても、ゴールデンビザ廃止の流れがいかに急速かがわかります。

ギリシャ・マルタ・UAE:残存・新興の動向

一方で制度が継続・強化されている国もあります。ギリシャは不動産購入ルートが継続していますが、アテネ市内など人気エリアは2023年から最低投資額が25万ユーロから80万ユーロに引き上げられました。地方や島しょ部では40万ユーロ前後のラインが維持されています。

マルタはEUパスポートを取得できる「個人投資家プログラム」が残存しており、総額75万ユーロ超の投資が必要なハードルの高い制度ながら、依然として富裕層の注目を集めています。そしてUAE(ドバイ)です。UAEはゴールデンビザという名称こそ同じですが、EU型の「制度廃止圧力」を受けない独自路線を歩んでいます。200万ディルハム(約8,000万円前後)以上の不動産購入や事業投資で10年ビザを取得できる制度が継続しており、2026年時点では海外移住ビザの代替先として注目が高まっています。

ただし、どの国の制度も為替リスク・現地法律の変更リスクを伴います。「今は使える」制度がいつ変わるかは誰にも断言できません。専門家への相談を強く推奨します。

私が相談で見た富裕層動向:保険代理店・宅建士としての実体験

総合保険代理店時代、富裕層が「ビザ」を求めた理由

私が総合保険代理店に在籍していた3年間、個人事業主や資産数億円クラスの富裕層の相談を多数担当しました。その中で、「海外移住ビザ」や「資産の国際分散」についての相談が急増したのは、ちょうど2020年代前半のことです。

当時、相談者の多くが「日本だけに資産を置くリスク」を強く意識していました。相続税・所得税の高さ、そして円安の加速が重なり、「一定の資産を海外に移しながら、合法的な居住権も確保したい」というニーズが明確に存在していました。ポルトガルゴールデンビザの人気が急上昇していた時期と完全に一致しています。

実際に相談の中で聞いた言葉で印象的なのは、「税率の話ではなく、選択肢を増やしたいんです」というものです。富裕層がゴールデンビザに求めていたのは節税の魔法ではなく、「どの国にも住める自由」という保険的な価値でした。この本質は、ゴールデンビザ廃止が進む今も変わっていません。

フィリピン購入の経験から見えた「制度への過信」の危険性

私自身、フィリピン・オルティガスエリアのプレセールコンドミニアムを取得した経験があります。購入を決めた時、私が重視したのは物件の収益ポテンシャルだけでなく、フィリピンの外国人向け居住制度の柔軟性でした。フィリピンにはSRRV(特別退職者居住ビザ)など、日本人にも比較的取り組みやすい居住制度が複数あります。

ただし、実際に現地の弁護士や管理会社とやり取りを進める中で痛感したのは、「制度は変わる」という事実です。外国人の土地所有制限、コンドミニアムの外国人所有比率上限(40%ルール)、そして為替(ペソ/円)の変動リスク。これらは物件購入時のパンフレットには書いていない話です。日本の宅建業法が適用されない海外不動産取引においては、現地法律と制度変更への感度が一段と重要になります。

ゴールデンビザも同じ構造です。「今使える制度」に依存しすぎると、制度廃止の瞬間に戦略全体が崩れます。制度をツールの一つとして扱い、複数の選択肢を持つことが、長期の海外資産形成では欠かせない考え方です。個人差はありますが、この視点は私が富裕層相談で繰り返し伝えてきた点でもあります。

代替ビザ7つの実例比較:富裕層が今検討すべき選択肢

EU圏代替:ノマドビザ・パッシブインカムビザの台頭

ゴールデンビザが縮小・廃止される中、富裕層や海外移住希望者の間で注目を集めているのが「ノマドビザ」や「パッシブインカムビザ」です。これらはゴールデンビザのような高額投資を条件とせず、一定以上の海外収入や資産を証明することで居住権を得られる制度です。

ポルトガルには「D7ビザ」と呼ばれるパッシブインカムビザがあり、月額760ユーロ前後の安定収入を証明できれば申請できます。スペイン廃止後の代替として、クロアチアやジョージア(グルジア)のノマドビザも選択肢に入ってきています。クロアチアはEU加盟国で、最長1年の滞在が可能です。ジョージアは完全無課税の税制と1年以上の滞在ビザで、リモートワーカーや投資家の移住先として人気が高まっています。ドバイ アパート投資の失敗例|宅建士が警戒する5つの罠

ただし、これらのビザは「居住権」であり、永住権・市民権への道筋が異なります。長期的な移住計画の中でどこに位置づけるかを明確にした上で選択することが重要です。

アジア・中東圏代替:UAE・マレーシア・タイの制度比較

私が将来的にアジア圏への移住を計画している立場から言うと、EU圏以外の選択肢も真剣に検討する価値があります。UAEドバイのゴールデンビザは前述の通り継続中であり、法人設立と組み合わせると資産管理・節税の観点からも検討しがいがある制度です。

マレーシアの「MM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム)プログラム」は2021年に条件が大幅引き上げられましたが、2025年以降は一部緩和の動きもあり、2026年時点では再度注目を集めています。タイは「LTR(Long-Term Resident)ビザ」を2022年に導入し、富裕層・退職者・リモートワーカー向けの10年ビザを提供しています。年収8万USD以上または資産100万USD以上が条件の一つです。

これら代替ビザ富裕層向け制度はそれぞれ条件・税務扱い・為替リスクが異なります。特に海外送金・税務については国によって大きく異なるため、必ず現地の税務専門家や日本側のFP・税理士への相談を経てから動くことを推奨します。ドバイ アパートメント賃貸運用のコツ|宅建士が2030年購入計画で固めた7軸

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ゴールデンビザ廃止時代に取るべき姿勢

  • 制度依存から「制度活用」へ発想転換する:ゴールデンビザ廃止の動向2026が示すように、単一の制度に移住・資産計画を依存するのはリスクです。複数国の制度を並行して把握し、「今使えるものを選ぶ」柔軟性が求められます。
  • ノマドビザ・長期ビザを「入口」として使う:高額投資が不要なノマドビザや退職者ビザを活用し、現地での生活実態を積み上げながら永住権・市民権につなげるステップアップ型の戦略が現実的です。
  • 法人設立・節税と組み合わせて設計する:海外移住を単なる生活の場の変更ではなく、資産管理・事業展開の拠点として設計するには、法人設立や税務構造の整理が不可欠です。私自身も都内法人の運営とインバウンド民泊事業の経験から、法人格の活用が資産形成の幅を大きく広げることを実感しています。

次の一手:ドバイ移住・海外法人設立を視野に入れるなら

ゴールデンビザ廃止の波が欧州を席巻する中、富裕層の資金や注目が流れ込んでいる先の一つがUAEドバイです。不動産購入による居住権に加え、フリーゾーン法人設立による事業拠点の構築も、資産形成の観点から検討する価値があります。

私はAFP・宅建士として、「海外の制度を活用しながら日本の税務・法務とどう整合させるか」という視点を常に持っています。特に海外法人設立は、税務上の恩恵を得るためには183日ルールや実態要件など厳格な条件を満たす必要があり、専門家なしで進めることは現実的ではありません。制度の魅力だけで動くのではなく、リスクと費用対効果を冷静に評価した上で進めてください。個人差がありますし、最終的な判断には専門家への相談が不可欠です。

ドバイへの移住・海外法人設立を具体的に検討し始めたい方は、まず専門のサポート窓口で情報収集することをお勧めします。

ドバイ移住・海外法人設立サポート GVA法人登記

筆者:Christopher/AFP・宅地建物取引士。フィリピン・ハワイで実物不動産を所有し、現役の宅建士として国内外の不動産・資産形成を実務視点で解説。大手生命保険会社2年、総合保険代理店3年を経て、現在は都内法人を経営・インバウンド民泊事業を運営中。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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