Henley & Partnersの選び方で迷っている方は多いと思います。私はAFP・宅建士として海外移住の相談を多数担当してきましたが、プログラム選びで躓くケースは後を絶ちません。この記事では、私自身がアジア移住計画の中で実際に比較検討した経験をもとに、Henley & Partnersが公表するパスポートインデックスとCBI・ゴールデンビザ各プログラムを選ぶ際の7つの判断基準を具体的に解説します。
Henley選び方の前提:パスポートインデックスとプログラムの違いを整理する
Henley & Partnersが提供する2つの軸
Henley & Partnersという名前を聞いて、多くの方がまず思い浮かべるのは「パスポートインデックス」ではないでしょうか。このランキングは各国パスポートのビザなし渡航可能国数を数値化したもので、2024年時点では日本が193カ国・地域へのビザフリーアクセスを持ち、上位に位置しています。
ただし、Henley & Partnersはランキング公表だけを行う調査機関ではありません。投資移住プログラムの設計・コンサルティングを専門とするフォームで、各国政府と連携してCBI(市民権投資プログラム)やゴールデンビザ(居住権投資プログラム)の実務を担います。この2つの軸を混同したまま相談に来る方が多く、私は保険代理店時代から「まず軸を分けて理解する」ことを最初にお伝えしてきました。
CBI(市民権)とゴールデンビザ(居住権)の本質的な差
CBIは投資と引き換えに「市民権=国籍」を取得するプログラムです。カリブ海諸国(セントキッツ・ネイビス、グレナダ、アンティグア・バーブーダなど)やマルタが代表例で、申請から取得まで6〜18カ月が目安です。一方のゴールデンビザは「居住権」の付与であり、国籍は変わりません。ポルトガル、スペイン、UAEなどが展開しており、一定期間の居住要件を満たした後に市民権申請へ進む構造です。
どちらが優れているという話ではなく、「日本国籍を保持したまま移動自由度を高めたい」のか「税務上の居住地を変えたい」のかによって選ぶべき方向が変わります。この判断を誤ると、数百万円規模の申請費用が無駄になるリスクがあります。専門家への相談を強くお勧めします。
私が移住計画で直面したHenley選びの失敗実例
フィリピンのプレセール購入後に気づいた居住権との乖離
私は数年前、フィリピン・マニラの新興エリアでプレセールコンドミニアムを購入しました。当時の判断軸は「価格上昇の期待値」と「将来的な移住拠点の確保」でした。ところが、購入を進める中で一つの盲点に気づきます。フィリピンでは外国人が不動産を所有しても、それだけでは長期居住権は付与されません。
日本の宅建業法では不動産取引に際して重要事項の説明義務が定められていますが、海外不動産は宅建業法の適用外です。現地の法律・規制は日本の常識とまったく異なる場合があります。私は宅建士として国内取引の知識を持っていたからこそ、「海外では同じルールが通用しない」という落差を強く感じました。フィリピンでの長期滞在には別途リタイアメントビザ(SRRV)の申請が必要で、不動産保有とは切り離された手続きになります。
この経験が、のちに私がHenley & Partnersのプログラムを真剣に調べ始めるきっかけになりました。不動産投資と居住権・市民権取得は、別の制度として設計を組む必要があると痛感したのです。
保険代理店時代の富裕層相談で見えた「目的のズレ」問題
総合保険代理店に勤めていた頃、個人事業主や富裕層の資産相談を担当する中で、投資移住プログラムへの関心を持つクライアントに複数出会いました。当時印象に残っているのは、「とにかく税金を安くしたい」という動機だけでHenley & Partnersのプログラムを検討していたケースです。
結論から言うと、税務上の恩恵を目的とする場合、居住地の変更が日本の税務当局に「実態を伴う移住」と認定される必要があります。形式だけ整えても、生活の実態が日本にある限り日本の課税義務は続く可能性があります。国税庁は近年、海外居住を利用した租税回避への調査を強化しており、このリスクを軽視したまま申請を進めると、後から多額の追徴課税が生じるケースがあります。税務については必ず国際税務に詳しい税理士への相談を先行させてください。
主要プログラム7種の比較と投資額別の判断軸
申請コスト・居住要件・パスポート効力の3点で整理する
Henley & Partnersが関与する投資移住プログラムの中で、日本人投資家が検討するケースが多い主要7プログラムを整理します。なお、以下の金額は2024〜2025年時点の目安であり、各国制度は変更されることがあります。最新情報は公式機関または専門コンサルタントにご確認ください。
- マルタCBI:寄付・不動産・国債への分散投資が必要。総コストは75万ユーロ超が目安。EUパスポート取得でビザフリー範囲が広い。
- グレナダCBI:不動産投資22万米ドル〜または寄付15万米ドル〜。米国E-2ビザ申請資格が付与される点が特徴的。
- セントキッツ・ネイビスCBI:カリブ海CBIの中でも歴史が長く、1984年から続く制度。寄付25万米ドル〜。
- アンティグア・バーブーダCBI:寄付10万米ドル〜と比較的エントリーしやすい水準。ただし居住要件(5年間で5日間)あり。
- UAEゴールデンビザ:200万AED(約8,000万円)以上の不動産購入で10年ビザ取得可能。法人設立との組み合わせが有効。
- ポルトガルゴールデンビザ:2024年の制度改正により不動産直接投資ルートは廃止。ファンド投資(50万ユーロ〜)ルートが継続中。
- スペインゴールデンビザ:不動産投資50万ユーロ〜。2025年に廃止方針が発表されており、タイムラインに要注意。
この中から選ぶ際の軸は「投資額の上限」「居住義務の有無」「取得後パスポートのビザフリー範囲」の3点です。日本国籍を保持する場合、パスポートランキングで既に高水準にあるため、「市民権取得でビザ範囲が劇的に広がる」期待は過剰になりやすいです。キプロス永住権と不動産投資|宅建士が35歳移住計画で検証した5観点
投資額200万円台〜1億円超で変わる現実的な選択肢
投資移住を検討する方の中には「できるだけ低コストで居住権を取りたい」という要望も多くあります。現実的には、信頼性と制度の安定性を備えたプログラムほど投資額の下限が高くなる傾向があります。
私が現在計画しているアジア移住においては、UAEゴールデンビザを軸に検討しています。理由は、法人設立との親和性が高く、私がすでに運営しているインバウンド民泊事業をドバイ法人と組み合わせるスキームが描けるからです。ただしUAEへの資産移転・税務申告については、現地の法制度と日本の税法の両方に精通した専門家への相談なしには判断できません。国によって課税ルールが異なる点は常に念頭に置いてください。
税務リスクの確認手順と宅建士視点の7基準
申請前に必ず踏む税務デューデリジェンスの流れ
投資移住プログラムを選ぶ際、多くの人が「どの国に申請するか」を先に決めようとします。しかし私はAFPとして資産設計を行う立場から、順序を逆にすることをお勧めしています。まず「自分の現在の税務上の居住地がどこか」「日本の課税義務がいつ・どのような条件で変わるか」を確認するのが先です。
確認すべき項目は以下の通りです。日本の所得税・住民税の課税根拠となる「居住者」判定基準、出国税(国外転出時課税制度)の適用有無(有価証券等の含み益が1億円超の場合に注意)、相続税・贈与税への影響、そして移住先国との租税条約の有無です。これらは個人の資産状況によって大きく異なるため、個差があります。必ず国際税務専門の税理士に相談してください。
宅建士が実務から導いた7つの選定基準
私がHenley & Partnersのプログラムを比較した経験と、保険代理店時代の相談経験を踏まえて整理した7つの判断基準を紹介します。
- ①目的の明確化:市民権取得か居住権取得か、税務対策か移動自由度向上かを最初に定める。
- ②居住義務の実態確認:形式的な居住日数だけでなく、生活実態として継続可能か検討する。
- ③制度の安定性:過去の制度変更履歴を確認し、廃止・改悪リスクが低いプログラムを優先する。
- ④投資対象の流動性:プログラム終了・解約時に投資資産を回収できる構造かを確認する。
- ⑤為替リスクの許容範囲:投資通貨と生活コスト通貨のミスマッチによる損失リスクを必ず試算する。
- ⑥現地の法律・宅建業法相当規制の確認:海外不動産は日本の宅建業法適用外であり、現地法律の精査が欠かせない。
- ⑦出口戦略の設計:居住権・市民権を手放す場合の手続きと税務インパクトを事前に想定しておく。
この7基準は特にUAEやドバイのゴールデンビザ申請において有効に機能します。ドバイは法人設立と居住権をセットで設計できる環境が整っており、私が現在最も具体的に検討しているプランです。ドバイ2026年最新動向|宅建士が移住計画で精査した7論点
まとめ:Henley選び方で後悔しないために押さえるポイントとCTA
7基準を軸にした行動チェックリスト
- Henley & Partnersのパスポートインデックスとプログラムコンサルティングは別物として理解する
- CBIは市民権、ゴールデンビザは居住権であり、目的に応じて選ぶ方向を先に決める
- 日本の出国税・居住者判定基準を事前に国際税務の専門家に確認する
- 不動産投資を伴うプログラムでは、現地法律と為替リスクを必ず事前に精査する
- 制度変更リスクを考慮し、過去の改定履歴があるプログラムは特に慎重に判断する
- 投資資産の出口(回収・売却)まで含めて資産計画を組む
- コンサルタント選びは実績と透明性を確認し、複数社で比較検討することが有効
ドバイ法人設立・移住準備を具体化するなら
Henley選び方の7基準を整理した上で、私が現在実際にアクションを進めているのがドバイへの法人設立と居住権の組み合わせです。インバウンド民泊事業を運営しながら、東京とドバイの二拠点経営を設計するには、現地の法人設立手続きと居住ビザの取得を並行して進める必要があります。
ドバイ法人設立に関しては、日本語対応で実績のあるサービスを使うことで手続きのミスを減らすことができます。私も複数のサービスを比較しましたが、コストと透明性のバランスを見て最終的に絞り込んでいます。海外送金・税務申告については国によってルールが異なるため、必ず専門家への相談を並行させてください。個人差もありますが、法人設立自体のプロセスは適切なサポートがあれば数週間〜数カ月で進められます。
ドバイ移住・海外法人設立の具体的なサポートを検討している方は、以下のリンクから詳細を確認してみてください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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