「Henley 事例を調べているが、どれが自分に合うのかわからない」——そう感じているなら、この記事は役に立つはずです。私はAFP・宅建士として500件を超える資産相談に関わってきました。ヘンリーアンドパートナーズが公表するCBI事例やゴールデンビザの情報は多いですが、日本人の実態に即した解説は少ない。そこで2027年の最新動向を踏まえ、投資移住の実例7つを精査して解説します。
Henley & Partnersとは何か——投資移住の基礎を整理する
ヘンリーアンドパートナーズの立ち位置と業務範囲
Henley & Partners(ヘンリーアンドパートナーズ)は、1997年設立のスイス系コンサルティング会社です。「市民権・居住権の取得支援」を専門とし、各国政府と直接契約を結ぶプログラム設計まで手がける点が特徴です。単なる移住エージェントとは異なり、ジョージア、バヌアツ、マルタなど複数国の公式プログラムパートナーとして機能しています。
投資移住とは、一定金額を対象国に投資することで、その国の永住権または市民権を取得する制度です。ゴールデンビザ(居住権型)とCBI=Citizenship by Investment(市民権型)の2種類に大別されます。ヘンリーアンドパートナーズはこの両方を扱い、毎年「Henley Passport Index」など影響力のあるレポートも発行しています。
投資移住が注目される背景——日本人富裕層の動向
私が総合保険代理店に勤務していた頃、資産1億円以上を持つ個人事業主や経営者からの相談が急増したのは、2020年以降のことです。相続税の節税・為替分散・海外への生活拠点確保という3つの動機が重なり、「どの国の居住権を取るべきか」という問いを何度も受けました。
国税庁が海外資産の申告強化を進めるなか、合法的な節税スキームとして投資移住への関心は高まっています。ただし、日本の税務上は「非居住者」になるための実態要件が厳しく、ビザを取得するだけでは節税効果は生まれません。この点を最初に押さえておくことが重要です。専門家への相談を強くお勧めします。
私が500件の相談で見てきたHenley事例の実像
フィリピン・プレセール購入と海外移住を並走させた40代経営者の事例
私自身、フィリピン・マニラ近郊の新興エリアでプレセールコンドミニアムを取得した経験があります。購入価格は日本円換算でおよそ1,500万〜2,000万円の水準でした。プレセールの性質上、竣工前から数年かけてローカル通貨建てで支払いが発生するため、為替リスクの管理が不可欠でした。
この経験と重なるのが、相談に来た40代の法人経営者(男性)の事例です。彼はフィリピンのSRRV(特別居住退職者ビザ)をヘンリーアンドパートナーズ系の現地エージェント経由で取得しつつ、マニラ郊外に不動産を購入しました。プレセール段階での購入なので竣工前リスクはありますが、頭金を抑えてキャッシュフローを分散できる点を評価していました。フィリピンの不動産法は外国人の土地所有を原則禁止しており、区分所有コンドミニアムのみが対象です。日本の宅建業法とは法制度がまったく異なる点を私は必ず説明します。
ハワイ・タイムシェア運用で気づいた「居住権と使用権の違い」
私はハワイの主要リゾートエリアでマリオット系タイムシェアを所有しています。タイムシェアはあくまで「使用権」であり、不動産の所有権とは異なります。この経験が「投資移住における居住権と市民権の違い」を感覚的に理解するうえで大いに役立ちました。
相談者の中にも、ハワイのコンドミニアム購入と並行してポルトガルのゴールデンビザを検討する50代の方がいました。ポルトガルGVは2023〜2024年に不動産投資ルートが大幅縮小され、現在はファンド投資(最低280,000ユーロ)や雇用創出ルートが主流です。「不動産で取れると思っていた」という誤解が多く、最新情報の確認が不可欠です。なお、海外送金・税務の取り扱いは国によって異なりますので、必ず専門家にご相談ください。
ドバイ投資移住の実例3件——条件・費用・注意点を整理する
ドバイゴールデンビザ取得の3パターン
ドバイ移住を検討する日本人が急増しています。UAE(ドバイ)のゴールデンビザは、主に以下の3ルートで取得できます。
- 不動産投資ルート:200万AED(約8,000万円)以上の物件購入
- 事業家・投資家ルート:資本金・資産要件を満たす法人設立
- 優秀人材ルート:医師・エンジニア・研究者等の専門職認定
私の相談事例では、不動産ルートでの取得が全体の約60%を占めます。ドバイは所得税・キャピタルゲイン税がゼロという大きな特徴がありますが、「UAE居住者」として日本の税務上の非居住者要件を満たすには183日以上の実態滞在が求められます。ビザ取得と節税は別の話です。
実例から見るコストと失敗リスク
30代の個人投資家(男性)は、ドバイのダウンタウンエリアに約250万AED(約1億円)の新築コンドミニアムを購入し、ゴールデンビザを取得しました。コンサルティングフィー・登記費用・エージェント手数料を合算すると総コストは物件価格の7〜10%に達することが多く、この点を見落とした相談者は少なくありません。
失敗事例としては、仲介会社の選択ミスが目立ちます。UAE現地で登録されていない業者に依頼し、契約書の内容確認が不十分なまま送金したケースもありました。海外不動産は日本の宅建業法の適用外であり、現地の法制度・登記制度の確認が必須です。キプロス永住権と不動産投資|宅建士が35歳移住計画で検証した5観点
欧州ゴールデンビザ比較——ギリシャ・ポルトガル・マルタの現在地
ギリシャGVの2024〜2027年動向
ギリシャのゴールデンビザは、2024年から主要エリア(アテネ中心部・テッサロニキ・ミコノス・サントリーニ島等)の最低投資額が80万ユーロに引き上げられました。それ以外のエリアは引き続き25万ユーロが適用されますが、今後さらに規制が強化される可能性があります。
私が相談を受けた50代の資産家(女性)は、アテネ郊外の低規制エリアに物件を購入し、25万ユーロで申請を完了しました。審査期間は2023年時点で平均12〜18ヶ月かかっており、「すぐ取れる」と思い込んでいた相談者は複数います。申請窓口の混雑状況は毎年変わるため、最新情報は必ず現地弁護士を通じて確認することが求められます。
マルタCBIとバヌアツ市民権——費用対効果の現実
マルタのCBI(Citizenship by Investment)はEU市民権を取得できる点で注目されますが、取得には最低73万ユーロ以上の拠出(寄付・不動産・国債の組み合わせ)と、原則1年以上のマルタとの実質的な関係証明が必要です。EU圏でのビジネス展開を計画する経営者には選択肢の一つとなります。
一方バヌアツは、約13万米ドル前後からCBIが取得できる手軽さが特徴です。ただし、欧州諸国のシェンゲン協定ビザフリー訪問が2024年に停止された経緯があり、パスポートの実用性は低下しています。CBI事例を比較する際は「取得コスト」だけでなく「パスポートの実用価値」を軸に検討することが大切です。ドバイ2026年最新動向|宅建士が移住計画で精査した7論点
私が相談で見た失敗談と2027年の選び方——まとめ
繰り返し見た失敗パターン4つ
- 情報の鮮度ミス:制度変更(ポルトガル不動産ルート廃止・ギリシャ値上げ)を古い情報で判断し、見込み違いが生じた事例が多数。
- 税務要件の見落とし:ビザを取得しても日本の「非居住者認定」を受けられず、節税効果がゼロだったケース。
- エージェント選択のミス:現地登録のない業者・ヘンリーアンドパートナーズ非正規代理店を使い、申請書類の不備で却下された事例。
- 為替リスクの過小評価:AED・EUR建て投資に対して円安が進行し、円換算コストが取得当初の試算を大幅に超過した。
投資移住は制度・法律・税務が複雑に絡み合います。個人差がありますので、実行前には税理士・弁護士・AFPなど複数の専門家への相談を強くお勧めします。
2027年に向けた投資移住の選び方と、私が考える視点
2027年に向けて、私が注目するのはドバイです。UAE政府は法人設立・ビザ制度の整備を継続して進めており、フリーゾーン法人の設立と組み合わせることでビジネス上の利便性が高まっています。私自身、将来的なアジア圏への移住計画を持ちつつも、ドバイを「拠点の一つ」として位置づけることを検討しています。
Henley 事例を参考にする際は、「自分の目的」を先に定めることが出発点です。節税目的なのか、パスポートの実用性なのか、資産分散なのか。目的が曖昧なまま投資移住を進めると、高額な費用を払った結果として何も得られないリスクがあります。宅建士・AFPとして断言しますが、「制度の理解→目的の明確化→専門家選び」の順番を守ることが失敗を避ける王道です。
ドバイへの移住・海外法人設立を具体的に検討しているなら、まず法人登記のプロフェッショナルに相談することをお勧めします。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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