AFP・宅建士として資産相談を担当してきた私が、移住検討者に必ず見せる指標があります。それが「Henley Passport Index」です。Henley おすすめ 2026を語るには、ランキングの数字だけでなく、税制・ビザ取得コスト・生活コストを組み合わせた7軸の評価が欠かせません。この記事では、私自身の海外不動産購入経験と金融セールス時代の富裕層相談事例を踏まえ、実務に即した選定法を解説します。
Henley Passport Indexの基本構造と2026年版の注目変動
ランキングが示す「移動の自由」の本質的な意味
Henley Passport Indexは、英国の移住コンサルティング会社Henley & Partnersが国際航空運送協会(IATA)のデータをもとに集計するビザなし渡航先の数で各国パスポートを序列化したものです。2026年版では日本は引き続き上位グループに位置しており、190カ国以上へのビザなし渡航が可能な状態です。
ただし、ランキングを「投資対象としての国力」と混同すると判断を誤ります。私が保険代理店時代に担当した富裕層のお客様の中にも、「日本パスポートが強いから海外移住しなくていい」と考えていた方が複数いました。パスポートの強さと、居住・課税・資産保全の最適化はまったく別の問題です。
2026年版で注目すべき順位変動の背景
2026年のHenley Passport Indexで注目されるのは、UAE(アラブ首長国連邦)の着実な順位上昇です。ドバイを中心とした経済開放政策と、隣接するヨーロッパ・アジア路線の拡充により、UAEパスポートのビザなし渡航先は直近数年で大幅に増加しています。
一方、欧州ではマルタやポルトガルなど、CBI(シチズンシップ・バイ・インベストメント)やゴールデンビザを提供してきた国々が制度変更・廃止の動きを見せています。ポルトガルは2023年にゴールデンビザの不動産投資ルートを廃止しました。この変化は、2026年以降の富裕層向け資産分散戦略に直結するため、最新情報の確認が不可欠です。
私がフィリピン・ハワイで実感した「国選びの失敗パターン」
マニラの新興エリアでプレセール購入時に直面したリスク
私がフィリピン・マニラ新興エリア(オルティガス地区)のプレセールコンドミニアムを購入した際、当初想定していなかったのが現地法律と日本の宅建業法の乖離でした。日本では宅地建物取引業法に基づき、買主は重要事項説明を受ける権利が守られています。しかし海外不動産は日本の宅建業法の適用外であり、現地デベロッパーとの契約内容・解約条件・瑕疵担保責任のルールはフィリピン国内法に従います。
実際、契約書の英語条項を精読したところ、竣工遅延が発生した場合のペナルティ条件が購入者側に不利な構造になっていました。宅建士の知識がなければ見落としていた箇所です。購入金額はフィリピンペソ建てで日本円換算約500〜800万円帯のユニットでしたが、為替変動リスク(ペソ安進行時の円換算価値下落)は購入前から想定して資金配分を調整しました。為替リスクは現在も続いており、海外不動産投資において切り離せない要素です。
ハワイのタイムシェア運用で学んだ「管理コスト」の重さ
私はハワイの主要リゾートエリアにマリオット系タイムシェアを所有しています。タイムシェアはパスポートの強弱に関係なく活用できる仕組みですが、問題は年間維持費(メンテナンスフィー)の上昇です。購入時の年間コストより数年後には20〜30%程度上昇しているケースが私の経験上一般的で、これは長期の資産分散計画に織り込むべきコストです。
また、タイムシェアは売却流動性が極めて低い点も実感しました。「所有している」という安心感と、「現金化できない」という流動性リスクは表裏一体です。ハワイへの移住や長期滞在を検討する際は、タイムシェア以外の居住手段と組み合わせる設計が現実的だと考えています。個人差があるため、同様の購入を検討される方は必ず専門家への相談を推奨します。
私が移住相談で使う7軸の評価フレームワーク
軸1〜4:税制・ビザ・治安・生活コスト
移住先を選ぶ際、私が相談者に提示する7軸の前半4つは「税制(所得税・相続税・キャピタルゲイン税の有無)」「ビザ取得の難易度とコスト」「治安指数(Numbeo等の定量データ参照)」「生活コスト(月額ベースの試算)」です。
特に税制は慎重な確認が必要です。UAEには現時点で個人所得税がなく、キャピタルゲイン税も課されていませんが、日本居住者が日本の課税義務を免れるには、住民票の適切な処理と実態としての生活拠点移転が条件になります。課税ルールは日本と大きく異なるため、移住前に必ず税務専門家(国際税務に精通した税理士)への相談が不可欠です。
軸5〜7:医療・教育・資産送金の容易さ
後半3軸は「医療アクセス(質・費用・英語対応)」「教育環境(インターナショナルスクールの有無・学費)」「資産送金の容易さ(外貨規制・送金上限・対日本の銀行連携)」です。
資産送金の容易さは、富裕層相談では頻出の論点でした。国によっては外国人の送金に規制がかかり、日本に資金を戻す際に手数料・期間・税務申告のハードルが生じます。フィリピンのように外貨規制が存在する国もあり、海外送金は「国によって異なります」という前提で必ず現地弁護士や送金専門サービスに確認することを推奨します。キプロス永住権と不動産投資|宅建士が35歳移住計画で検証した5観点
ゴールデンビザ・CBIと組み合わせる移住設計の実際
ゴールデンビザの現在地:欧州縮小・中東・アジア拡張
ゴールデンビザ(投資家ビザ)は、一定額以上の投資と引き換えに居住権を付与する制度です。欧州ではポルトガル・スペインが制度縮小・廃止方向に動いている一方、UAEは2022年以降に「グリーンビザ」「ゴールドカード」などの投資家向けビザを拡充しており、2026年時点でも活用可能な選択肢として注目されています。
UAEのフリーゾーン法人設立(年間数十万〜百数十万円台の設立・維持コスト)と組み合わせ、法人口座を活用した資産分散を設計するケースが増えています。ただしフリーゾーン法人の活用には、日本側での税務申告(国外財産調書・外国法人株式の申告等)が伴う点を見落とさないことが重要です。
CBI(市民権購入):パスポート強化戦略の現実的なコスト
CBI(シチズンシップ・バイ・インベストメント)は、投資と引き換えに第二国籍を取得できる制度で、カリブ海諸国(セントキッツ・ネイビス、アンティグア・バーブーダ、ドミニカ連邦など)やバヌアツが代表的です。最低投資額は国によって異なりますが、カリブ海諸国では一般的に10〜15万USD程度が目安です。
第二パスポートの取得はHenley Passport Indexのスコアを直接引き上げる手段にはなりませんが、「居住国と課税国を分離する」設計における法的な補完手段として機能します。ただし日本は二重国籍を原則として認めていないため、日本国籍の取り扱いについては法的リスクを十分に精査する必要があります。専門家への相談を強く推奨します。ドバイ2026年最新動向|宅建士が移住計画で精査した7論点
2026年以降を見据えた移住設計:まとめとアクションプラン
Henley おすすめ 2026を活用するための7軸チェックリスト
- 軸1:移住候補国の所得税・相続税・キャピタルゲイン税の制度を確認する
- 軸2:ゴールデンビザ・長期滞在ビザの最新取得条件とコストを調べる
- 軸3:Numbeo等の定量データで治安指数を確認し、候補地を3カ国以内に絞る
- 軸4:月額生活コストを「家賃・食費・医療費・子女教育費」の4項目で試算する
- 軸5:日本語・英語対応の医療機関アクセスを現地情報で確認する
- 軸6:インターナショナルスクールの年間学費を日本円換算で試算する
- 軸7:日本への資産送金・外貨規制の有無を現地弁護士または送金専門家に確認する
ドバイ移住計画を具体化するための次のステップ
私自身は将来的なアジア圏への移住に向けて、現在ドバイでの法人設立と居住権取得の情報収集を進めています。ドバイはHenley Passport Indexの観点からもUAEパスポートの上昇傾向が続いており、フリーゾーン法人を活用した資産分散の拠点として機能する可能性が高いと考えています。ただし税務・法務の両面でリスクが伴うことも事実であり、個人の状況によって最適解は大きく異なります。個人差があるため、必ず国際税務・法務の専門家に相談したうえで判断してください。
ドバイ移住や海外法人設立の第一歩として、まずは専門サービスへの相談から始めることを検討する価値があります。下記のサービスは法人登記のサポートを手がけており、移住設計の初期段階で活用できる選択肢の一つです。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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