AFP・宅建士として資産相談を多数担当してきた私が、Henley & Partnersのおすすめ活用法を2030年ドバイ移住計画という実践的な文脈で検証しました。パスポートインデックスの読み方からゴールデンビザの比較軸まで、単なる情報整理ではなく「実際に移住計画を組み立てながら使った7視点」として解説します。これから投資移住を検討する方にとって、具体的な手がかりになるはずです。
Henley & Partnersとは何か——パスポートインデックスの基礎を正確に理解する
Henley & Partnersが提供するデータの本質
Henley & Partnersは1997年にスイスで設立された、居住権・市民権のアドバイザリーファームです。その中でも広く知られているのが「ヘンリーパスポートインデックス(Henley Passport Index)」で、国際航空運送協会(IATA)の公式データをもとに、各国パスポートのビザなし渡航先数をランキング化したものです。
2024年時点で日本のパスポートは193か国・地域へのビザなし渡航が可能とされており、長年上位を維持しています。ただし、私がこのデータを活用する際に注意しているのは「ランキング順位」よりも「自分の移住候補国・投資先との具体的な渡航可否」を確認するという視点です。順位の数字だけを追うのは、資産形成の文脈では本質的ではありません。
ゴールデンビザ・投資移住との接続点を知る
Henley & Partnersはパスポートインデックスの情報提供にとどまらず、ゴールデンビザや市民権取得プログラム(CBI/RBI)の仲介・コンサルティングも手がけています。つまり「現在のパスポートで渡航できる国を調べる」ツールとしての側面と、「別の国の居住権・市民権を取得してパスポートを増やす」サービス提供者としての側面を両方持つ会社です。
私がドバイ移住計画を立て始めた際、まずHenley & Partnersのウェブサイトで日本パスポートとUAEパスポートそれぞれの渡航先数を比較しました。日本パスポートはすでに強力ですが、UAE居住権を取得することで中東・アフリカ圏への事業展開がしやすくなるというビジネス上のメリットを確認できたのは収穫でした。投資移住は「パスポートを強化する」だけでなく「拠点を分散する」という観点でも評価すべきです。
フィリピン・ハワイでの実体験——海外資産保有者から見たパスポートインデックスの使い方
マニラの新興エリアでプレセール購入を決めた時の情報収集プロセス
私はフィリピン・オルティガスエリアのプレセールコンドミニアムを購入しています。この意思決定をした時、Henley & Partnersのデータを活用した場面がありました。フィリピンへの日本人渡航がビザなしで可能な期間(短期滞在30日、延長可能)を確認するために、インデックスの補足情報を参照したのです。
フィリピンの不動産は、外国人がコンドミニアムの区分所有(フロアの40%以内の外国人枠)を取得できる仕組みになっています。日本の宅建業法とは異なるフィリピン独自の不動産法規制が存在するため、現地弁護士と連携した手続きが不可欠でした。購入金額はおよそ600万〜800万円台のレンジで、管理費・固定資産税相当の支出も現地通貨建てで発生します。為替リスクは常に意識しており、フィリピンペソの変動は資産評価に影響します。海外不動産投資には現地の法律・税制・為替すべてにリスクが伴うことを、自分自身が所有者として実感しています。
ハワイのタイムシェア運用で学んだ「居住権と滞在権の違い」
ハワイの主要リゾートでマリオット系タイムシェアを保有しています。タイムシェアはあくまで「利用権」であり、居住権でも不動産所有権でもありません。この経験を通じて、Henley & Partnersが扱う「居住権(Residency By Investment)」と「利用権」の法的性質の違いを身をもって理解できました。
ゴールデンビザや投資移住プログラムで取得できる居住権は、税務上の居住地選択や資産保全の手段として機能しますが、タイムシェアのような利用権とは根本的に異なります。保険代理店時代に富裕層のお客様から「ハワイの別荘とゴールデンビザの違いは何ですか?」と聞かれたことがありましたが、この区別を正確に理解しているかどうかで、投資移住の計画精度が大きく変わります。専門家への相談を強くおすすめします。
ゴールデンビザ比較7軸——宅建士の視点で整理する
選定基準として機能する7つの軸
私がドバイ移住計画の中でゴールデンビザを比較検討した際、Henley & Partnersのレポートを参考にしながら独自に整理した7つの軸があります。これはあくまで私自身の整理であり、個別の状況によって優先順位は異なります。
- ①最低投資額:UAEゴールデンビザは不動産購入の場合200万AED(約8,000万円前後)が目安。ポルトガルNHRは制度変更後に要件が変化しており最新情報の確認が必要。
- ②税制上の扱い:UAEは個人所得税・キャピタルゲイン税がないが、日本の居住者要件を外さない限り日本の課税義務は継続する。二重課税防止条約の有無も重要。
- ③滞在義務日数:最低滞在日数の要件はプログラムによって異なる。ドバイゴールデンビザは比較的柔軟とされているが、詳細は必ず弁護士に確認すること。
- ④家族帯同の可否:配偶者・子どもを含むファミリービザの扱いは国ごとに異なる。
- ⑤不動産市場の流動性:宅建士として評価する視点。換金性の低い不動産にロックインされるリスクを考慮する。
- ⑥パスポートへの影響:居住権取得はビザなし渡航先数には直接影響しないが、市民権取得(帰化)は別のパスポートを持てる可能性がある。
- ⑦事業・法人との連携可能性:私が東京で法人を経営している立場として、UAE法人設立との組み合わせを重視している。
ドバイを移住候補にした理由と現在地
2030年を目標としたドバイ移住計画を進めている理由は、法人税率の低さ(UAE連邦法人税は2023年から課税所得37.5万AED超に対して9%が適用されているが、フリーゾーン活用で条件付きゼロ税率の選択肢もある)、インバウンド民泊事業から得た「訪日外国人ビジネスの知見をアウトバウンドにも転用できる」という仮説、そしてアジア圏への移住計画の中継拠点としての地理的優位性です。
ただし、日本の税務・法務の観点では、UAE移住を実現するには日本の住民票・納税地の問題、日本法人との関係整理など複雑な手続きが伴います。これは宅建士の業務範囲ではなく、税理士・弁護士との連携が必要な領域です。安易に「ドバイに移住すれば節税できる」と考えるのは危険であり、専門家への相談なしに実行すべきではありません。キプロス永住権と不動産投資|宅建士が35歳移住計画で検証した5観点
Henleyおすすめ活用法——相談前に整えるべき3つの準備
情報収集フェーズで陥りやすい3つの罠
保険代理店時代に500件以上の資産相談を担当してきた経験から言うと、Henley & Partnersのウェブサイトやレポートを読んだ人が共通して陥る罠があります。
一つ目は「パスポートランキングを自国の誇りとして見てしまう」罠です。資産形成の文脈では、現在のパスポートの渡航可能数よりも「移住先の生活インフラ・税制・法人設立のしやすさ」を優先して調べるべきです。ランキングは入口にすぎません。
二つ目は「ゴールデンビザの最低投資額だけで比較する」罠です。不動産取得に付随する諸費用、管理コスト、出口戦略(売却時の流動性)まで含めて総コストを試算しないと、実態と乖離した計画になります。私がフィリピンで物件を購入した際も、取得価格だけでなく管理費・固定資産税相当・為替変動を含めた5年間のキャッシュフロー計画を作成しました。
三つ目は「Henley & Partnersを唯一の情報源にしてしまう」罠です。同社はサービス提供者でもあるため、情報には自社サービスへの誘導が含まれています。複数の情報源を比較し、中立的な専門家(弁護士・税理士・FP)の意見を組み合わせることが重要です。ドバイ2026年最新動向|宅建士が移住計画で精査した7論点
相談前に整えるべき3ステップ
私がドバイ移住計画の相談を専門家に依頼する前に実施した準備を3ステップで共有します。個人差があるため、すべての方に同じ手順が有効とは限りません。
ステップ1:自分の「移住目的」を言語化する。節税なのか、事業拡大なのか、生活の質の向上なのか、資産分散なのか。目的が曖昧なままコンサルに相談すると、先方のサービスメニューに誘導されるリスクがあります。私の場合は「アジア圏への事業展開の中継拠点」と「法人税負担の最適化」の2点に絞りました。
ステップ2:日本側の現状を数値化する。日本の年間課税所得・保有資産の内訳(国内不動産・海外不動産・金融資産・暗号資産・銀地金)・日本法人の状況を一覧化する。私はAFPとしてこの作業を自分でできますが、専門家でない方は税理士に依頼することをおすすめします。
ステップ3:移住後のライフスタイルコストを試算する。ドバイの場合、2024年時点でのアパート賃料は立地によって年間200万〜500万円超の幅があります。生活費・子どもの教育費・医療費・日本への帰国頻度に伴う航空費を含めた年間コストを試算してから、節税メリットと比較する必要があります。
まとめ——Henleyおすすめ活用で2030年移住計画を前進させるために
7視点で整理した活用のポイント
- Henley & Partnersはパスポートインデックス提供者であると同時に、ゴールデンビザ・投資移住のサービス提供者でもあることを理解して使う
- パスポートランキングの順位より「自分の移住・投資先との具体的な渡航可否と滞在条件」を確認することに価値がある
- ゴールデンビザ比較は最低投資額だけでなく、税制・滞在義務・家族帯同・不動産流動性・法人との連携可能性の7軸で評価する
- 日本の宅建業法と異なる現地法規制・二重課税・為替リスクは、海外不動産・投資移住を問わず必ず専門家確認が必要
- UAE・ドバイの税制メリットは実在するが、日本の居住者要件を正しく処理しない限り節税効果は得られない
- 移住目的の言語化・日本側資産の数値化・移住後コストの試算という3ステップで相談の質が大きく変わる
- Henley & Partnersの情報は入口として有用だが、複数の中立的専門家の意見と組み合わせて判断することが重要
次のアクション——法人設立・移住サポートの窓口として
私自身、2030年のドバイ移住に向けて現在もリサーチと専門家相談を継続中です。日本法人の整理、UAE法人設立の検討、そして日本の住民票・税務上の居住地変更という段階的なプロセスを、焦らず一つずつ進めています。
特に「海外法人設立」は、移住を検討する上で早期に情報収集しておくべきテーマです。法人設立の要件・コスト・維持費用・日本との税務連携は、一般的なウェブ検索では断片的な情報しか得られません。専門のサポートを活用することで、情報収集にかかる時間を大幅に短縮できます。
本記事を読んで「次のステップに進みたい」と感じた方には、以下のサービスが一つの選択肢になり得ます。海外法人設立・ドバイ移住の具体的なサポートとして、参考にしてみてください。なお、最終的な判断は必ず税理士・弁護士等の専門家に相談の上で行ってください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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