Henleyメリットデメリット|金融セールスが移住相談で検証した7論点

AFP・宅建士として資産相談を多数担当してきた私、Christopherが、Henley&Partnersのメリット・デメリットを7論点で徹底検証します。総合保険代理店時代に富裕層の投資移住相談を数多く受け、ゴールデンビザやCBIプログラムへの問い合わせが急増するのを肌で感じてきました。移住コンサルを選ぶ前に知っておくべき実態を、現場視点で正直に解説します。

Henley&Partnersとは何か:移住コンサルの基礎を整理する

ヘンリー&パートナーズの事業モデルと世界的な立ち位置

Henley&Partners(ヘンリー&パートナーズ)は、1997年にスイスで設立された投資移住・市民権取得の専門コンサルファームです。現在は30カ国以上にオフィスを展開し、CBI(Citizenship by Investment:投資による市民権取得)やRBI(Residency by Investment:投資による永住権取得)の分野では、世界的に知名度の高い存在です。

同社が毎年発表する「ヘンリー・パスポート・インデックス」は、各国パスポートのビザなし渡航可能国数をランキング形式で示すもので、メディアにも広く引用されています。このインデックスによって名前を知った日本人も多いはずです。ただし、インデックスの公表と実際の移住・市民権取得サービスは別物であり、両者を混同しないことが重要です。

私が保険代理店に在籍していた頃、富裕層の顧客から「Henleyに相談しようと思っているが、どう思うか」という質問を受けたことが何度かあります。その時点で私はコンサルの中身をほとんど知らず、「まず比較検討を」と答えるしかありませんでした。その反省から、移住コンサル全体を体系的に調べるようになったのが、この記事を書くきっかけの一つです。

対応プログラムの種類:CBI・RBI・ゴールデンビザの違い

Henley&Partnersが扱う主要プログラムは大きく3つに分類されます。まずCBI(Citizenship by Investment)は、投資と引き換えに第二国籍を取得するもので、カリブ海諸国(セントキッツ・ネイビス、アンティグア・バーブーダなど)や欧州のマルタが代表的な対象国です。次にRBI(Residency by Investment)は永住権・長期居住権の取得を目指すもので、ポルトガルのゴールデンビザやUAEの長期ビザが含まれます。

ゴールデンビザという言葉はRBIの通称として広く使われており、厳密な法的定義があるわけではありません。投資移住を検討する際は、「国籍を取りたいのか」「居住権で十分か」「節税目的か」「多拠点生活が目的か」によって選ぶプログラムが根本から変わります。私自身、フィリピンのプレセール物件を購入した際に現地の不動産エージェントから「SRRVビザも組み合わせると便利」と言われましたが、その時点で節税目的ではなく資産形成目的だったため、ビザは後回しにした経緯があります。

私が移住相談の現場で見たHenleyの実像

保険代理店時代の富裕層相談で浮かび上がった課題

総合保険代理店で勤務していた3年間、個人事業主や資産1億円超の富裕層の相談を担当する機会が多くありました。その中でHenleyを含む投資移住コンサルへの関心が高かった層の共通点は、「複数の国に資産を分散したい」「節税と移動の自由を同時に確保したい」という二つのニーズを持っていることでした。

ある資産家の顧客は、Henleyのセミナーに参加した後、マルタのCBIプログラムへの投資を真剣に検討していました。当時のマルタCBIは最低投資額が約65万ユーロ(当時レートで約8,000万円超)とされており、不動産購入や国家貢献基金への拠出を組み合わせる必要がありました。私はAFPとして資産全体のバランスを確認する立場から、「移住先の税制と日本の国外財産調書制度を両方確認してください」とアドバイスしました。海外送金・税務は国によって異なるため、必ず税理士・弁護士への相談が必要です。

この経験から、Henleyの「サービスの幅広さ」は確かに本物だと感じる一方で、日本の税務・法務との整合性は自分で補完しなければならない部分が多いという印象を強く持ちました。

フィリピン物件購入時に感じた現地コンサルとの比較

私はマニラ新興エリアのプレセールコンドミニアムを実際に購入しています。購入時に接触したのは現地デベロッパー系のエージェントと、独立系の移住コンサルでした。その比較体験がHenleyを評価する際の基準になっています。

フィリピンでは外国人が土地を所有することは原則として禁止されており、コンドミニアム(区分所有)の形での取得が現実的な選択肢になります。私が購入を決めた際、エージェントから受けた説明は主に「価格上昇の見通し」に集中していましたが、私は宅建士として「日本の宅建業法と異なり、フィリピンでは外国人の権利保護が限定的な場面がある」という認識を持っていたため、契約書の原文確認と現地弁護士への確認を自分で手配しました。

Henleyのような大手移住コンサルと比べると、現地エージェントは物件紹介力は高いものの、法務・税務のサポートに限界があります。一方、Henleyは法務・移民手続きのサポートが厚い反面、特定の物件・投資先を深掘りする力は必ずしも高くない場合があります。両者を使い分ける視点が現実的です。

Henleyのメリット5つを実例で整理する

実績・ブランド・対応国数の強みを具体的に見る

Henley&Partnersのメリットとして、まず挙げられるのは対応プログラムの幅広さです。カリブ海、欧州、中東、アジアと地域をまたいで複数のCBI・RBIプログラムを一社で比較検討できる点は、移住コンサル選びの手間を大幅に削減します。特に初めて投資移住を検討する層にとって、入口として機能しやすい体制です。

次に、長年の実績から蓄積された各国政府・当局との関係性があります。マルタ、グレナダ、ポルトガルなど、Henleyが深く関わってきた国のプログラムでは申請の流れが整備されており、手続きの透明性が比較的高い傾向があります。また、英語・日本語対応の体制が整っているオフィスも存在し、言語の壁を下げる意味では有効です。

さらに、同社が発行するパスポートインデックスや各種レポートは情報の質が高く、投資移住を検討する際の一次情報として活用できます。無料で入手できるコンテンツの充実度は、移住コンサル全体の中でも際立っています。

手数料体系と費用感:実際の相場はどのくらいか

Henleyのコンサル手数料は、プログラムや申請国によって大きく異なります。公表されている情報をもとにすると、CBI系プログラムでは申請者1名あたり数万ドル単位のコンサル費用が発生するケースが多く、これに政府への拠出金・不動産購入費・デューデリジェンス費用が加算されます。総額では100万ドルを超えるケースも珍しくありません。

RBI系(ゴールデンビザ)では対象国によって投資最低額が異なり、たとえばUAEの長期ビザでは不動産購入ベースで200万ディルハム(約8,000万円前後)が目安とされています。Henleyのコンサル費用はこれに上乗せされる形になります。費用の透明性については、初回相談の段階では全貌が見えにくいという声も聞かれます。事前に「見積もりの内訳を書面で提示してほしい」と要求することを私は推奨します。

ただし費用感には個人差があり、家族構成・資産規模・目標プログラムによって総額は大きく変動します。キプロス永住権と不動産投資|宅建士が35歳移住計画で検証した5観点

Henleyのデメリット5つと代替コンサル比較7軸

見落とされがちな5つのデメリット

Henleyのデメリットとして、まず費用の高さが挙げられます。同社のブランド力・実績に対して上乗せされるプレミアム部分があり、費用を抑えたい層にとっては割高に感じる可能性があります。次に、日本語サポートの質にばらつきがある点です。東京オフィスが存在するものの、担当者によって対応の深さが変わるという声があります。

3つ目は、日本の税務・法務との連携が自社サービスの範囲外である点です。海外移住に伴う日本の出国税(国外転出時課税)、国外財産調書の提出義務、贈与・相続への影響などは、日本の税理士・弁護士と別途相談が必要です。Henleyはあくまで現地手続きの専門家であり、日本側の対応は自分で手配することになります。

4つ目は、特定の国・プログラムへの誘導リスクです。コンサルが取り扱うプログラムに偏りがある場合、本来自分に合ったプログラムではなく、コンサルが案内しやすいプログラムを勧められる可能性があります。複数のコンサルから意見を聞くことが有効です。5つ目は、プログラム変更リスクへの対応です。ポルトガルのゴールデンビザのように制度が縮小・廃止された事例があり、申請中に状況が変わった場合のサポート内容を事前に確認しておく必要があります。

代替コンサル比較7軸:Henleyをどう相対化するか

移住コンサルを比較する際に私が重視する7つの軸を整理します。①対応プログラムの幅(国数・ビザ種別)、②日本語対応の質(専任担当者の有無)、③日本側の税務・法務との連携体制、④申請実績数と成功率の開示姿勢、⑤手数料の透明性(書面での見積もり提示)、⑥アフターフォローの期間と内容、⑦日本の金融機関・不動産仲介との連携力—です。

Henleyはこのうち①④⑤においては水準が高いと評価できますが、②③⑦については日本発の移住コンサルや税理士法人と組み合わせた方が実用的な場合があります。私自身、アジア圏への移住を将来的に計画している立場から、複数のコンサルに問い合わせを行い、回答の質と透明性を比較するプロセスを踏んでいます。ドバイ2026年最新動向|宅建士が移住計画で精査した7論点

なお、ドバイ(UAE)への移住・海外法人設立については、日本語サポートが充実した専門サービスも選択肢として検討する価値があります。特に法人設立を組み合わせる場合、手続きの複雑さを考えると専門家のサポートが有効です。

まとめ:Henleyを使うべき人・使わない方がよい人と次のアクション

7論点で見えたHenleyの選択基準

  • 対応国の幅と実績の厚みはプラス評価。カリブ海・欧州・中東を横断して比較したい層に向いている
  • 費用はプレミアム水準。総額100万ドル超のプログラムを前提とするなら相対的に割安感もあるが、予算が限られる場合は代替コンサルの比較が有効
  • 日本側の税務・法務(出国税・国外財産調書・相続税)は自分で税理士・弁護士を手配する必要がある。専門家への相談を強く推奨する
  • ゴールデンビザ・CBIは制度変更リスクを伴う。申請中のプログラム変更時のサポート内容を契約前に書面で確認すること
  • 為替リスクも必ず考慮する。USD・EUR建ての投資額は円安局面で日本円換算額が膨らむため、為替ヘッジの有無を資産全体で検討することが重要
  • 複数コンサルへの問い合わせは時間的コストがかかるが、費用・回答の質を比較する工程は省略しないこと
  • 日本の宅建業法は海外不動産に直接適用されないが、「現地法律・外国人の権利保護・契約書の言語」は必ず確認する。これは私が宅建士として強調したい点です

次のアクション:まず法人設立・移住サポートの比較から始める

移住を本気で検討するなら、コンサルへの問い合わせと並行して「日本法人・海外法人の整理」に着手することを私は勧めます。特にドバイ(UAE)を視野に入れる場合、法人設立と長期ビザ取得はセットで動くケースが多く、日本語で対応してくれる専門サポートの存在が実務上の助けになります。私自身、現在都内で法人を経営しながらアジア圏への移住を計画している立場から、法人の在り方を整理するプロセスを進めています。

海外法人設立・移住サポートの費用感や手続きの流れを確認するだけでも、移住計画の解像度が上がります。まず情報収集の一歩として、以下のサービスを参考にしてください。個人差はありますが、早い段階から専門家の意見を聞くことで、計画の精度が高まります。

ドバイ移住・海外法人設立サポート GVA法人登記

筆者:Christopher/AFP(日本FP協会認定)・宅地建物取引士。マニラ新興エリアのプレセールコンドミニアムおよびハワイの主要リゾートでタイムシェアを実際に所有。大手生命保険会社2年、総合保険代理店3年を経て、個人事業主・富裕層の資産相談を多数担当。現在は東京都内で法人を経営し、インバウンド民泊事業を運営。株式・ETF・米国REIT・暗号資産・銀地金を運用中。現役の宅建士として、海外資産形成と日本の税務・法務の両面を実務視点で解説する。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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