AFP・宅地建物取引士として富裕層の資産相談を長年担当してきた私、Christopherが、2026年時点で現実的な永住権取得おすすめ制度を7つに絞り込んで徹底比較します。フィリピンのプレセールコンドミニアムを実際に購入し、自身もアジア圏への移住を具体的に計画している立場から、数字と実務の両面で整理しました。
2026年に注目される7制度|投資額と滞在条件の比較
ゴールデンビザ系3カ国:ポルトガル・ギリシャ・スペインの現状
ゴールデンビザという言葉が日本でも広まったのは2015年前後ですが、2026年時点では制度の中身がかなり変わっています。ポルトガルは2023年の不動産投資廃止後、ファンド経由への一本化が進み、最低投資額は50万ユーロ(約8,000万円)が目安です。滞在義務は年間7日間という緩さが魅力で、EU居住権として機能する点は変わりません。
ギリシャは2024年から主要都市の不動産最低投資額が80万ユーロに引き上げられましたが、地方エリアでは25万ユーロ前後から申請できる仕組みが残っています。EU圏でのビジネス展開や教育環境を重視する方にとって、コストパフォーマンスが高い選択肢の一つです。スペインのゴールデンビザは現政府が廃止を表明しており、2026年以降の動向は慎重に確認する必要があります。
中東・アジア系4制度:UAE・マレーシア・タイ・フィリピンの比較
ドバイ永住権(UAEゴールデンビザ)は、200万ディルハム(約8,000万円)以上の不動産購入で10年間有効の居住権が得られる制度です。所得税・キャピタルゲイン税がゼロという税制上のメリットが投資移住を検討する富裕層に支持されており、2026年時点でも制度の安定性は高いと見られています。ただしビザの更新要件や滞在日数については毎年確認が必要です。
マレーシアのMM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム)は2021年に大幅改定され、月収収入要件や預託金が引き上げられました。2026年時点では審査が厳格化されているものの、英語環境・医療水準・生活コストのバランスから海外移住の候補として根強い人気があります。タイのLTRビザは富裕層・リモートワーカー・年金受給者向けに設計され、最大10年の滞在が可能です。フィリピンのSRRV(特別居住退職者ビザ)は預託金1万〜5万ドルで永続的な居住権が得られる点が特徴で、私自身もフィリピンへの移住ルートとして調査済みです。
フィリピン購入と保険代理店時代の経験が教えてくれた視点
オルティガスのプレセール購入で実感した「現地法律」の壁
私が実際にフィリピン・オルティガスのプレセールコンドミニアムを購入したのは数年前のことです。日本の宅建業法では重要事項説明が義務付けられていますが、フィリピンの不動産取引はそのルールが一切適用されません。現地の不動産取引法はHLURB(現DHSUD)が管轄しており、日本人買主を保護する仕組みは基本的に存在しないという前提で動く必要がありました。
プレセール価格は当時500万〜700万ペソ台(約1,100万〜1,500万円)の物件が多く、日本円で比較的手が届く水準でした。ただし問題は為替リスクです。契約時と引き渡し時の為替差によって実質コストが数十万円単位でぶれる経験をしており、これは海外不動産全般に共通するリスクとして必ず織り込む必要があります。永住権との組み合わせを検討する場合も、為替・現地法律・管理コストの三点は絶対に専門家と事前に確認することを強くお勧めします。
保険代理店時代の富裕層相談が示した「移住と資産分散の優先順位」
総合保険代理店に在籍していた3年間、個人事業主や中小企業オーナーの資産相談を多数担当しました。その経験から言えることは、移住と永住権取得を考える方の動機は「節税」よりも「資産の分散」と「家族の安全網」にある場合が多いという点です。
相続対策や事業リスクへの備えとして海外永住権を検討する富裕層は、「どの国が有利か」よりも「どの国で自分の家族が安心して暮らせるか」を優先します。AFP資格を持つ私が資産相談の現場で感じた本質的な問いは、今でも私自身の移住計画の軸になっています。制度の優劣だけでなく、生活コスト・医療・教育・言語環境を総合的に評価することが、後悔のない選択につながります。
税務面で見る本命3カ国|居住者認定と課税ルール
UAE(ドバイ):所得税ゼロの実態と日本の課税リスク
ドバイ永住権の魅力として最初に挙がるのが税制です。UAEには個人所得税が存在せず、キャピタルゲインへの課税もありません。ただし日本から移住する場合、「日本の居住者」と認定された状態が続けば日本の所得税が課される点を見落としてはいけません。
日本の所得税法上、居住者かどうかは「住所」と「1年以上の居所」で判断されます。UAEに生活の拠点を移したとしても、日本国内に家族が残っていたり、国内事業の実態が継続していたりすると、課税上は依然として日本居住者とみなされるリスクがあります。私自身、都内で法人を経営しているため、移住後の税務ポジションについては税理士と綿密に確認する予定です。国際税務の判断は国・状況によって異なるため、必ず専門家への相談をお勧めします。キプロス永住権と不動産投資|宅建士が35歳移住計画で検証した5観点
ポルトガル・ギリシャ:NHR制度と非課税優遇の現実
ポルトガルにはNHR(非通常居住者)制度があり、対象となる外国源泉所得を一定期間非課税または低税率で受け取れる仕組みがあります。ただし2024年以降の制度改正でNHRの適用範囲が変更されており、2026年時点では旧制度の条件がそのまま適用できるケースは限られます。新たに「IFICI制度」として再設計されているため、最新情報の確認が不可欠です。
ギリシャは外国年金生活者向けに7%の一律課税という特例制度を持っており、年金所得が多い定年退職者層にとって検討する価値がある仕組みです。いずれの国も、日本の居住者認定の有無・租税条約の適用・海外送金ルールを組み合わせて判断する必要があり、単純に「この国に移れば税金が安くなる」とは言えません。課税ルールは国によって異なり、個人の状況次第で結論が変わるため、必ず国際税務の専門家に相談してください。
私が精査した選定5軸|申請時の落とし穴と失敗回避
選定5軸:投資額・滞在義務・家族帯同・税務・出口戦略
私が自分自身の移住計画で精査した際に用いた5つの軸を共有します。①最低投資額(手元流動性を圧迫しないか)、②年間滞在義務日数(国内事業との両立が可能か)、③家族帯同の可否と条件(配偶者・子の居住権がどう扱われるか)、④税務上の居住者認定リスク(日本との二重課税を避けられるか)、⑤出口戦略(永住権から市民権への昇格ルート、または売却・解約の柔軟性)の5点です。
この5軸で見ると、年間滞在義務が低く投資額も比較的抑えられるUAEゴールデンビザは、国内事業を継続しながら海外拠点を持ちたいビジネスオーナー層にとって合理的な選択肢の一つです。一方で、EU市民権への道筋を重視するならポルトガルやギリシャの制度を5〜10年スパンで検討する方が整合性が取れます。個人の状況によって優先軸は異なるため、一律の「これが正解」はありません。
申請時の落とし穴:デューデリジェンス不足と現地代理人の質
フィリピンでの購入経験を通じて痛感したのは、現地代理人の選定がその後の手続き全体の質を左右するという点です。海外不動産の売買は日本の宅建業法の管轄外であり、日本の不動産取引で当たり前に機能している保護制度は存在しません。「日本語対応」「日本人スタッフ在籍」という広告文句だけで選ぶのは危険で、実際に登記や送金の実績があるか、現地の弁護士と連携しているかを確認することが重要です。
永住権の申請においても同様のリスクがあります。代理申請会社の中には、制度変更後も旧情報を掲載したまま営業しているケースがあります。2026年時点のスペインゴールデンビザの廃止予定、ポルトガルNHRの改正、マレーシアMM2Hの審査厳格化など、直近2〜3年で制度が大きく変わった事例が複数あります。申請前に必ず最新の公式情報と専門家のダブルチェックを行うことが、失敗を避ける大前提です。ドバイ2026年最新動向|宅建士が移住計画で精査した7論点
まとめ:2026年の永住権取得おすすめ選びで押さえる本質
7制度を比較して見えた優先チェックリスト
- UAEゴールデンビザ:200万ディルハム以上の不動産投資で10年居住権、所得税ゼロだが日本の居住者認定リスクは別途要確認
- ポルトガルゴールデンビザ:EU居住権を得たい方向け、ファンド投資50万ユーロ〜が現実的ルート、NHR改正後の税制は最新情報を確認
- ギリシャゴールデンビザ:地方エリア25万ユーロ〜のルートが残存、EU圏アクセスとコストのバランスが魅力
- マレーシアMM2H:審査厳格化後も生活コスト・英語環境で支持、2026年時点の要件は公式サイトで必ず最新確認
- フィリピンSRRV:預託金1万〜5万ドルで取得可能、現地法律と管理コストを必ず事前調査
- タイLTRビザ:最大10年、富裕層・デジタルノマド・年金受給者向けの多層構造が特徴
- スペインゴールデンビザ:2026年以降の廃止動向を注視、現時点での新規申請は慎重に判断
海外法人設立と永住権を組み合わせる選択肢
私自身が現在進めている移住計画では、永住権の取得と海外法人の設立をセットで検討しています。特にドバイの場合、フリーゾーン法人の設立と居住ビザが連動する仕組みがあり、事業・税務・居住の三つを一体で設計できる点が魅力です。ただし法人設立の手続きは現地の規制・業種・資本金要件によって異なり、日本の会社設立とは全く別の知識が必要になります。
私のようにドバイへの移住・海外法人設立を具体的に検討し始めた段階で、信頼できるサポート窓口を早めに確保することが時間的なロスを減らします。制度の詳細確認と並行して、専門家との相談を開始することをお勧めします。個人の資産状況・事業形態・家族構成によって最適な設計は異なるため、必ず専門家への個別相談を経て判断してください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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