結論から言うと、Henley & Partnersへの投資移住申請は「資産整理→問い合わせ→面談→書類提出→着金→審査→承認」という7工程に整理できます。AFP・宅建士として富裕層の資産相談を500件以上担当してきた私が、自身の2030年ドバイ移住計画に向けて実際に問い合わせた経験をもとに、Henley やり方の全体像を解説します。
Henley & Partnersとは何かを再確認する
投資移住仲介業者として果たす役割
Henley & Partnersは、1997年にスイスで創業した移住・市民権コンサルティング会社です。現在はドバイ、ロンドン、シンガポールなど40か国以上にオフィスを展開し、投資家向けのゴールデンビザ手続きや市民権取得のサポートを提供しています。
同社が担うのは「各国政府との連携のもと、申請者の適格性確認から書類作成・提出・承認後のフォローまでをワンストップで代行する」という役割です。日本語で言えば「投資移住申請の専門代行会社」に近いイメージですが、単なる手続き代行ではなく、資産構造の整理から現地不動産・ファンドへの投資ルート選定まで幅広く関与します。
日本の宅建業法では、国内不動産の仲介には宅建業者の免許と重要事項説明が義務付けられています。一方、海外不動産はこの規制の対象外です。ただし、だからこそ「現地法律の確認」「為替リスクの把握」「税務上の取り扱い」を申請者自身がしっかり理解しておく必要があります。Henley & Partnersを利用する際も、この前提は変わりません。
対象となる主なビザ・市民権プログラム
Henley & Partnersが取り扱うプログラムは、主に以下の3カテゴリに分類できます。
- 居住権プログラム(ゴールデンビザ):UAE、ポルトガル、ギリシャ、マルタなど。不動産投資や国債購入が主な投資要件。
- 市民権プログラム(CBI):カリブ海諸国(セントキッツ・ネービス、アンティグア等)、バヌアツなど。寄付か不動産投資で取得可能。
- 長期居住ビザ支援:ドバイのゴールデンビザ(10年)、UAE投資家ビザ(2〜3年)など。
私が現在注目しているのはUAEのゴールデンビザです。2030年を目途にドバイへの移住を計画しており、投資要件・税制・生活インフラの3点を総合的に検討しています。なお、これはあくまで私自身の資産計画であり、特定のプログラムへの加入を推奨するものではありません。個別の事情によって適切な選択肢は異なりますので、専門家への相談を推奨します。
申請前に済ませておく資産整理3点(私の実体験から)
フィリピンのプレセール購入で痛感した「資産の可視化」
数年前、私はマニラの新興エリアにあるプレセールコンドミニアムを購入しました。フィリピンの不動産は外国人が区分所有できる比率に上限があり、且つデベロッパーと直接契約するプレセール方式では、竣工前の段階から資金を分割で送金する必要があります。
この経験で痛感したのは「海外送金の記録が将来の資産証明になる」という事実です。日本の銀行から複数回にわたって送金した記録が、後にビザ申請時の投資実績を示す証跡として機能します。もし送金履歴が断片的だったり、原資が不明確だったりすると、KYC(本人確認・資金源確認)の段階で大きく躓くことになります。
Henley & Partnersへの投資移住申請でも、資金源の透明性は審査の核心です。私が問い合わせた際、担当者から最初に確認されたのは「ファンドの出所と、過去2〜3年の確定申告書・資産証明が用意できるか」でした。フィリピン購入の経験があったからこそ、この問いに即座に答えられた感覚があります。
保険代理店時代の富裕層相談で見えた「資産整理3点セット」
総合保険代理店に在籍していた3年間、個人事業主や資産家の方々から海外移住・海外資産運用の相談を多数受けてきました。その経験から、申請前に必ず整えておくべき資産整理は以下の3点です。
- ① 資産の棚卸し:不動産(国内外)、金融資産(株式・ETF・REIT・暗号資産・貴金属)、生命保険の解約返戻金、事業の純資産。これらを円換算でリスト化します。私自身は米国REIT・銀地金・フィリピンのコンドミニアムを含む資産を一覧にまとめてあります。
- ② 資金源の文書化:投資資金の原資が「給与」「事業収入」「相続」「不動産売却益」のどれかを明確にし、それを裏付ける申告書・契約書を揃えます。
- ③ 日本側の税務ポジションの確認:海外への資産移転は、日本の国外財産調書・財産債務調書の提出義務に関わります。また、海外移住後の日本での課税関係も変わります。この点は税理士への相談が不可欠です。
この3点を整えずにHenley & Partnersに問い合わせると、面談の段階で「資料を揃えてから再度ご連絡ください」と返されるケースが少なくありません。準備が申請の成否を左右すると言っても過言ではないでしょう。
問い合わせから初回面談までの実務フロー
オンライン問い合わせフォームの書き方と注意点
Henley & Partnersへの最初のコンタクトは、公式サイトのオンライン問い合わせフォームまたはメールが一般的です。私が実際に送った際は、以下の情報を最初から明記しました。
- 希望する移住先・ビザの種類(UAE ゴールデンビザ)
- 移住の希望時期(2030年を想定)
- 現在の居住国と国籍(日本)
- 保有資産の概算規模(不動産含む流動性資産の総額レンジ)
- 日本法人の経営者である旨と、事業の概要
問い合わせから数営業日以内に、担当コンサルタントからメール返信と初回オンライン面談の日程調整が来ました。対応言語は英語が基本ですが、日本語対応の担当者がいる場合もあるため、問い合わせ時に「Japanese preferred」と明記することをお勧めします。
初回面談で必ず確認すべき4つのポイント
初回面談はあくまでヒアリングと適格性の確認が目的です。この場で「申請を確約する」必要はありません。私が面談で確認したポイントは4つあります。
- ① フィー体系の透明性:コンサルティングフィー・政府手数料・不動産取得費用がそれぞれ別立てになっているか確認します。総費用が不明瞭な場合は要注意です。
- ② タイムライン:書類提出から承認まで、実績ベースで何か月かかるかを具体的に聞きます。UAEゴールデンビザは申請から承認まで3〜6か月が目安とされていますが、個別状況によって異なります。
- ③ デュー・ディリジェンス(DD)の内容:身元調査の範囲と、過去に問題が生じたケースの対応実績を確認します。
- ④ 日本の税務・法務への理解度:担当者が日本居住者特有の課題(出国税、国外財産調書等)を把握しているかを確認します。ここが曖昧な場合、日本側の税務は別途、国内の税理士・弁護士と連携して進める必要があります。
海外移住の税務・法務は国によって大きく異なります。この記事はあくまで申請フローの概要を示すものであり、個別の税務判断については必ず専門家へご相談ください。キプロス永住権と不動産投資|宅建士が35歳移住計画で検証した5観点
必要書類7種の準備手順と着金・承認工程
投資移住申請で求められる主要書類
Henley & Partnersを通じたゴールデンビザ手続きで求められる書類は、プログラムや申請国によって異なりますが、標準的に必要となる7種類は以下のとおりです。
- ① パスポートのコピー(有効期間6か月以上)
- ② 資産証明書・銀行残高証明:日本の金融機関が発行する英文証明が必要なケースが多い。発行に2〜4週間かかる場合があるため早めに動く。
- ③ 源泉徴収票または確定申告書(過去2〜3年分):法人経営者の場合、法人の決算書も求められることがある。
- ④ 無犯罪証明書(警察証明):法務局または警察庁への申請が必要。英訳・アポスティーユ認証まで含めると1〜2か月のリードタイムを見る。
- ⑤ 戸籍謄本・住民票(英訳付き)
- ⑥ 投資資金の出所証明(KYC書類):送金履歴・売却契約書・相続証明など原資に応じた書類。
- ⑦ 健康診断書・健康保険加入証明:UAEなど一部の国では申請要件に含まれる。
アポスティーユ認証(外務省での公印確認)が必要な書類が複数含まれるため、書類準備フェーズには3〜4か月のバッファを見ておくことが現実的です。私は2026年中に主要書類を整備し、2027〜2028年を申請・審査フェーズと位置づけてスケジュールを組んでいます。
着金タイミングと承認後の実務確認事項
書類が揃ったら、コンサルタントのレビューを経て政府機関への正式提出となります。UAEゴールデンビザの場合、投資要件を満たす物件購入または適格投資の「着金確認」が審査通過の前提条件です。
着金に関して注意すべき点が2つあります。1点目は「送金先の確認」です。詐欺リスクを避けるため、送金先口座の変更連絡はメールではなく必ず電話で担当者に直接確認してください。2点目は「為替リスク」です。たとえばAEDは米ドルにペッグされているため対ドルの変動は小さいものの、円安・円高の局面によって日本円ベースの実質コストが大きく変わります。私はこの為替変動リスクを踏まえ、送金時期と円換算コストを慎重に試算しています。
承認後には、UAE居住者証明書(エミレーツID)の取得、現地銀行口座の開設、そして日本の住民票の抹消手続きと出国税の申告が発生します。日本の税務当局への届け出を怠ると、後から追徴課税を受けるリスクがあります。この点についても国内税理士との連携が不可欠です。ドバイ2026年最新動向|宅建士が移住計画で精査した7論点
まとめ:Henley申請7工程と2030年ドバイ移住計画の現状
7工程のチェックリストと各フェーズの所要期間目安
- 工程①:資産の棚卸しと可視化(随時)
- 工程②:資金源の文書化・KYC準備(1〜2か月)
- 工程③:日本側の税務ポジション確認(税理士連携)(1か月)
- 工程④:Henley & Partnersへの問い合わせ・初回面談(数営業日〜2週間)
- 工程⑤:必要書類7種の準備・アポスティーユ取得(2〜4か月)
- 工程⑥:書類提出・着金・デュー・ディリジェンス審査(2〜4か月)
- 工程⑦:承認・エミレーツID取得・日本側の出国手続き(1〜2か月)
合計すると、準備開始から承認・移住完了まで最短でも8か月、標準的には12〜18か月のスパンになります。ゆとりを持って動くことが、申請の成功率を高める上で現実的なアプローチです。投資移住申請の結果は個人の資産状況・国籍・申請先の制度変更によって異なります。あくまで参考情報としてご活用ください。
法人設立を並行検討するなら今が準備フェーズ
ドバイへの移住を検討する場合、個人のビザ取得と並行して現地法人(フリーゾーン法人など)の設立を検討する方も増えています。私自身、現在東京都内で法人を経営しつつインバウンド民泊事業を運営していますが、将来的なアジア圏への移住を見据えて、海外法人の設立スキームについても情報収集を進めています。
法人設立の手続きは、移住先の税制・規制と日本の税務申告の両方に影響します。海外送金・税務は国によって大きく異なるため、手続きを進める際は必ず現地法律の専門家および日本国内の税理士・司法書士と連携することを強く推奨します。個別の事情によって適切な方法は異なりますので、専門家への相談を前提として検討を進めてください。
海外法人設立の手続きサポートとして、私が情報収集に活用したサービスを以下にご紹介します。ドバイ移住や海外法人設立の第一歩として、選択肢の一つとして参考にしてみてください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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